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「北川湿地」事業差し止め訴訟、住民側の請求棄却/横浜地裁

2011年4月1日

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整備が進められている発生土処分場=三浦市の北川湿地

整備が進められている発生土処分場=三浦市の北川湿地

 三浦市の「北川湿地」とその周辺で京浜急行電鉄が進める発生土処分場事業をめぐり、周辺住民らが事業差し止めを求めた訴訟の判決で、横浜地裁(深見敏正裁判長)は31日、原告請求を棄却した。一方、同湿地の動植物を移植した京急側の環境対策について深見裁判長は「対策は不十分で、生物多様性の保全としては甚だ遺憾」と言及した。

 判決は、土砂搬入時に騒音や振動、交通渋滞、大気汚染などがあるとした原告主張について、社会生活上の受忍限度内と認定した。

 原告には周辺住民や同湿地の研究を続ける市民団体のほか、生態系としての「北川湿地」自体も名を連ねていたが、判決は生態系を裁判の当事者として認めなかった。

◆保全不十分も進む工事 
 2009年7月から始まった北川湿地を含む谷戸(やと)地(約22ヘクタール)への土砂搬入の差し止めを認めなかった横浜地裁判決。京急の環境対策を「不十分」と指摘したものの、約1年間続いた訴訟中も工事は進み、県内最大級ともいわれた湿地は土砂で埋め立てられた。

 京急線三崎口駅から徒歩10分。険しく深い谷戸の底にある湿地は「人目に触れることなく、手つかずのまま残されてきた」(三浦・三戸自然環境保全連絡会)。同会の集計によると、湿地周辺には97種の希少種が生息。環境省レッドリストで絶滅危惧2類のメダカやキンランなども確認した。

 判決が問題視したのは、京急が別の場所に整備した水辺の空間「ビオトープ」(約3ヘクタール)への移植。「専門家の指示で進めている」と妥当性を主張したが、判決は、移植した動植物の定着を確認しないまま埋め立てた点に触れ、「環境保全に十分な配慮があるかは疑問」と指摘した。

 原告で同会の横山一郎代表(51)と弁護団は「京急側の環境対策の不備を指摘した点は評価したい。訴訟中も進められた工事で湿地が消失し、守れなかったのは残念」と述べた。京急は「環境に配慮したまちづくりに努める」としている。

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