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ウサギきっかけに社会復帰、一味違う「セラピー」効果

2011年1月1日

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田村さんに診察される雌ウサギ=川崎区のわたりだ動物病院

田村さんに診察される雌ウサギ=川崎区のわたりだ動物病院

 ウサギをきっかけに社会とのつながりを取り戻した人がいる。「わたりだ動物病院」(川崎市川崎区)副院長の田村裕美さん(53)が、こんなエピソードを語ってくれた。

 数年前、引きこもりの20代男性がいた。仕事になじめず、外出を控える生活。ある日、飼っていた2歳のウサギが転落事故に遭い、下半身まひになってしまう。外に出たくない。まして人と接するのは嫌だ。でもウサギを元気にしたい。小さくない葛藤を乗り越え、片道1時間の道のりを1年間通った。

 変化が見られたのは、ウサギだけではなかった。当初、話し掛けても口数が少なくうつむき加減だった男性が、徐々に明るさを取り戻し、自ら話すようになる。その後、新たな仕事場に就職。後日、「ウサギと先生のおかげで社会復帰できた。もしウサギがけがをしなかったら、自分も変われなかった。ウサギの頑張る姿に励まされた」と感謝をつづる手紙が届いた。「困難をぴょんと飛び越えるパワーをもらえたのかもしれない」と田村さんは思う。

 おとなしく、愛らしい。癒やし効果に人気が出て、家で飼う人が増えている。この病院では月120件もの来院があり、10年前に比べて2割ほど増した。待合室のソファの端と端に座るような夫婦が、よりを戻したケースがあった。ウサギが2人の膝に前脚を置き、間を取り持つようなしぐさをしていた。

 体温が39・5度と温かく、肌触りの良い毛並みを抱いたりなでたりすることで、飼い主の血圧が落ち着く。犬や猫とはまたひと味違う「アニマルセラピー」の効果があるという。田村さんは「うさぎ年ですし、飼う人がまた増えるでしょうね」と話している。

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