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街頭紙芝居が一日限りの”復活”、昭和の名調子よみがえる/横浜

2010年9月6日

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登場人物ごとに声色を変えて紙芝居を上演する鷲塚さん=横浜市都筑区の市歴史博物館

登場人物ごとに声色を変えて紙芝居を上演する鷲塚さん=横浜市都筑区の市歴史博物館

 正義の味方が活躍する冒険活劇や頓知クイズなど、戦後の子どもたちが熱中した街頭紙芝居。20代で自転車に紙芝居と駄菓子を載せて街頭を回った鷲塚隆さん(81)=横浜市磯子区岡村=が5日、1日限りの“復活”を果たした。名調子でよみがえった街頭紙芝居の魅力とは―。

 拍子木の音が鳴り響くと紙芝居が始まる。同市都筑区の市歴史博物館。「大紙芝居展」の最終日に合わせた特別企画に、観客は300人を超えた。

 「大怪獣ダイラ」は、水爆実験の影響で怪物が航海中の貨物船内に登場するという物語だ。野太い声で深刻な事態を語りかける。怪物が誕生した場面では太鼓を絶妙に鳴らし続ける。「船員たちの運命は。それは、またの機会に」。佳境に入ったところでおしまい。ため息と拍手がわいた。

 「明日も来てもらいたいから、後を引くように話す。毎日が勝負だった」と鷲塚さん。1回に冒険活劇と時代物、少女の物語の3作品を演じる。作品は10枚程度で6分ほど。毎日午後に数カ所を回ったという。この日は解説を入れて30分にわたり上演した。

 観客の一人、ボランティアで紙芝居をする緑区の宇野澄子さん(73)は「人物ごとに変える声に魅了された」。特別に販売されたあめを食べながら楽しんだ旭区の男児(9)は「当時の雰囲気も味わえた」と紙芝居は世代を超えたようだ。

 船乗りだった鷲塚さんが街頭紙芝居師になったのは1946年ごろ。最初は声が出ずに借金が重なった。無声映画の活動弁士のような独特の語り口調を身につけると人気者に。東京を皮切りに、数年後には横浜・磯子周辺でも活躍した。

 辞めたのは58年ごろ。5年前にテレビ放送が始まっていた。八百屋の行商をしたが「厳しかった紙芝居をやっていたから乗り切れた」。そうして地元で店を構えた。

 紙芝居を同博物館に寄贈するという鷲塚さん。「求めがあればどこかで演じたいね。でも、お客さんが多くなければダメだよ」

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