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認知症を発症した実母を追ったドキュメンタリー映画、横浜在住の映画監督が制作中

2010年6月7日

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 映画監督の関口祐加さん(53)=横浜市中区=が、認知症を発症した実母を追ったドキュメンタリー映画「此岸(しがん)、彼岸」を制作中だ。作品の一部をインターネットで随時公開しながら、2011年中の完成を目指している。 関口さんは大学卒業後、オーストラリアに渡り、ドキュメンタリー映画の制作に携わるようになった。約30年ぶりに日本に戻ることを決めたのは今年初め。母・宏子さん(79)の認知症が理由だった。

 宏子さんには以前からもの忘れの症状が出ていた。昨年末には、関口さんら家族と一緒にクリスマスケーキを食べたことを間もなく忘れてしまう。「そのとき母が浮かべた恐怖の表情を見て、帰国を決めた」と関口さん。離婚した元夫が同意しないため、オーストラリア国外に連れ出せない長男(10)を元夫に託し、帰国した。

 その後、本格的に撮り始めた映像では、介護記録や啓発目的ではなく母の姿をありのままとらえてみようと考えた。

 まじめできれい好きだった宏子さんには、さまざまな変化が現れていた。料理や整理整頓ができず、風呂嫌いに。一方、病院で医師に軽口をたたき、娘にはあけすけな物言いをするなど、「本能的にさばけた存在」になっていた。関口さんのカメラは、「明るく、たくまざるユーモアがある」宏子さんの姿を追う。

 もちろん明るい面ばかりではない。誕生日を祝ったことを忘れてしまった宏子さんが自虐的な自作の歌を口ずさんだり、ウエットティッシュや空のペットボトルが入った冷蔵庫など、認知症の現実も映し出している。ネットで公開した映像に併せてつづっている関口さんの文章からは、母への切ない感情や、撮影に対する逡巡(しゅんじゅん)も浮かび上がる。

 宏子さんの症状は、同居を始めたころより進んでいるという。生活面をはじめ、不安なこともないわけではない。「好きに生きてきた自分を支えてくれたのは母。その母が本能で生きるなら、最後の応援をしたいと言う気持ちでいる」。関口さんはそう話す。

 作品は「女性自身 関口祐加の映像ブログ」で見ることができる。アドレスはhttp://jisin.yukasekiguchi.com

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