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今秋2院が休止、三浦半島の深刻なお産事情/横須賀など

2010年4月4日

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 三浦半島のお産事情が今秋以降、深刻な事態になりそうだ。横須賀市内の出産件数の半数近くを扱う二つの総合病院が10月以降、相次いで分娩(ぶんべん)を休止する。三浦半島で分娩を扱う総合病院は一つだけとなり、妊婦の選択肢はさらに狭まる。出産場所が見つからない「お産難民」や市外での出産も増えるとみられ、少子化に拍車を掛けるのではないかと懸念されている。

 横須賀市の出生数は減少傾向が続いている。2008年は3126人で、8年前(3797人)より17%減った。逆に死亡数は20%以上増え、08年は913人の自然減となった。

 出生者減の一因といわれるのが出産施設の減少だ。04年度には五つの総合病院と四つの診療所、1助産所が分娩を扱っていた。しかし、それ以降に2総合病院と2診療所が取りやめた。逆に2診療所がオープンしたが、出産件数は減る一方。08年度は02年度より20%少ない2774件に落ち込んだ。

 出生数との差は300以上になり、市内の妊婦の相当数が市外で出産しているとみられる。

 これに拍車を掛けるように、市内最多の出産件数を誇る横須賀共済病院(米が浜通)が10月から、公設民営の指定管理者制度に移行した市民病院(長坂)は11月から分娩を休止することになった。ともに担当医がいなくなるためだ。共済病院は半年後の再開を目指しているが、市民病院はめどが立っていない。



 両病院を合わせると08年度の出産件数(1335件)は市内全体の48%を占める。また、三浦半島の西部に位置する市民病院は出産施設がない葉山町や、総合病院で出産を扱っていない三浦市の妊婦の利用者も多いという。このままでは、出産場所がなかなか見つからない「お産難民」が多数出てしまう恐れがある。

 妊娠5カ月を迎える横須賀市内の主婦(38)は長年不妊治療を続け、早期に妊娠に気付いて診療所の予約も早くできたという。しかし、「出産時に何か問題が起こった場合、搬送されるのは大きな病院。地元の総合病院がお産を扱わなくなると、どこへ行けばいいのか…」と心配する。

 知り合いには、市内の病院では予約が取れず北関東の実家に戻って出産した女性もいる。「出産できる病院が減るのは深刻な問題。子どもを『産まない』のではなく、横須賀で安心して『産めない』女性が増える。出生数にも影響するのは当然だ」と指摘する。



 深刻な事態に、横須賀市も「重大な問題」(吉田雄人市長)と危機感を強め、横浜市内の産科医療機関に受け入れを要請している。しかし、受け入れには限度がある。

 「崩壊する日本の医療」などの著書がある川崎市立井田病院の鈴木厚地域医療部長は「医療費の抑制政策で地域医療のほころびが全国で広がっている。鳩山首相は『いのちを守りたい』というのなら、医療制度を安定させるため消費税を引き上げるべきだ。国民もある程度の負担をする覚悟が必要な時期に来ている」と話した。 

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