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「きれいで安全な海に」海水浴場の禁煙化で期待と不満の声/神奈川

2010年3月20日

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海水浴場の一角に昨年設置されていた灰皿。海水浴客に分煙を呼び掛けた=藤沢市の片瀬東浜

海水浴場の一角に昨年設置されていた灰皿。海水浴客に分煙を呼び掛けた=藤沢市の片瀬東浜

 19日に可決、成立した海水浴場の原則禁煙化を目指す県条例。今シーズンからの施行を前に、湘南など海水浴場を抱える県内の自治体や運営する組合関係者らからは、条例施行できれいで安全な海に変わることを期待する声が多数を占めた。その一方で、規制に伴う海水浴客減少への不安や、喫煙専用区域(喫煙場所)設置のための予算措置がなされていない現状への不満の声も聞かれた。

 「県の試行場」と位置づけ、昨年夏に真鶴町が全面禁煙に踏み切った岩海岸。町によると、ポイ捨てされたたばこの吸い殻がほとんどなくなり、禁煙への客からの苦情などもなかった。利用者も例年(約1万人)と変わらなかったという。

 岩海岸のように、海水浴客が減少することはないとみるのが藤沢市。片瀬西浜や片瀬東浜などを抱え、2009年に423万人余の海水浴客が訪れた。市観光課の担当者は「小さい子どもも安心して遊べる海をPRしていきたい」と意気込み、条例施行を機にさらなる客数増を目指す。

 一方、茅ケ崎海水浴場事業協同組合の石田朋也理事長(38)は反対に海水浴客減を懸念する。周囲には全面禁煙になると思い込んでいる人も少なくないという。「きれいな海になることには賛成」という石田理事長は「喫煙場所では吸えるなど、県は条例の中身をもっとPRしてほしい」と訴える。

 条例では、海水浴場設置者が喫煙専用区域を設けることが可能になる。だが鎌倉市海水浴場連絡会の増田元秀代表(48)は「喫煙場所を設置するには費用がかかるのに、何も予算措置がされていない」と不満を口にする。

 増田代表によると、日よけのひさしなどが付いた喫煙スペースを設けるには60万~70万円程度かかるという。逗子海岸営業協同組合の眞壁克昌理事長(54)も「最終的に組合の負担が増えるのではないか」と不安がる。増田代表は「各組合とたばこメーカーがどれだけタイアップできるかどうかだ。みんなが気分いい海岸になる鍵を握っている」と分析した。

 一方で、砂浜禁煙を海の家利用者増につなげたいと考えている組合もある。三浦海岸海水浴場運営委員会は海の家の内部を仕切るなどして喫煙スペースを設けることを検討中。最盛期は100軒以上並んだ海の家も、今年は9軒のみの予定。海の家を利用しない海水浴客が増え、経営は厳しい状況だ。大島敬三委員長(78)は「喫煙スペースを海の家の中につくることで、喫煙者の利用が期待できる」と条例の思わぬ効果に期待している。 


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