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県内公示地価は底打ちの兆し、商業地は回復遅れ/神奈川

2010年3月19日

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 県内の地価はこの半年間で底打ちの兆しをみせ始めた。18日公表された公示地価は不況の影響を端的に反映したが、半年前の基準地価(2009年7月時点)と比較できる地点をみると約8割で下落幅が縮小している。ただ景気動向の不透明さもあり、先行きには慎重な見方も根強い。

 1月、川崎市北部の法人所有地の入札に大手不動産業者など十数社が応札した。落札金額を知った不動産会社幹部は唖然(あぜん)としたという。「想定より数億円も高かった」

 地価が上昇に転じつつあることを示唆する事例は、東京都心部に近いエリア、特に川崎市北部に多いという。

 今回の公示地価で川崎市内は全区で下落幅が縮小。基準地価との比較では、川崎市高津区や中原区で、ほぼ横ばいにまで改善した地点もある。

 浜銀総合研究所の湯口勉主任研究員は「東京都心部に近く、交通利便性の高い住宅地を中心に先行して改善に向かう」とみる。ただ、川崎市や横浜市の中心部で底打ち感が面的に広がるのは「今秋以降」との分析だ。

 不動産市場に詳しい東京カンテイの中山登志朗上席主任研究員も「全般的に最悪期は脱したといえる」とする一方で、「価格の下落した土地に建てたマンションが今秋以降、本格的に供給され始める。高騰時に比べれば割安だが、これが消費者に受け入れられるかが(地価動向の)鍵」とみる。

 商業地については、企業のオフィス需要の低迷や小売りの業績不振などで、回復が若干遅れるとの見方が少なくない。

 新横浜駅周辺や横浜駅西口では空室率の高止まりが続いている。今回の公示地価でも「思ったより回復の兆しが弱い」(不動産アナリスト)。オフィスの大量供給は一段落したが、着工が凍結されている計画も少なくないことから、「横浜エリアの面的な回復は12年以降」(同)との分析もある。

 県西部は対照的に、下落率の拡大が進んだ。下落傾向は人口減を背景に中長期的に続くとの見方が出ている。

 昨年マイナス1・6%だった湯河原町はマイナス4・0%と、下落率が2・4ポイント拡大。小田原市や山北町、松田町なども2ポイント近く下落率が拡大した。

 もともと景気動向の波を受けにくい地域で、不動産ミニバブルにより県内全用途で地価が上昇した2008年1月時点でも下落傾向が続いた。

 浜銀総合研究所の湯口勉主任研究員は「人口が減少している県西・県央エリアの地価動向は今後見逃せない」と指摘。中長期的に「需要が減退し続け、地価が限りなくゼロに近づいていく」(不動産アナリスト)との見方もある。


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