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半世紀超親しまれた”裸の社交場”灯が消える、「平塚温泉」2代目闘病で/神奈川

2010年3月10日

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片付けが進む番台に立つ柏木さん。「廃業は残念ですが、残る銭湯にはできるだけ長く頑張ってほしい」

片付けが進む番台に立つ柏木さん。「廃業は残念ですが、残る銭湯にはできるだけ長く頑張ってほしい」

 JR平塚駅南口で半世紀以上、湯気が立ち上り続けた銭湯「平塚温泉」(平塚市代官町)の灯が消えた。父親から引き継いだ2代目の柏木治郎さん(62)に昨年末、病が発覚し廃業を余儀なくされた。「再開しないの」。“裸の社交場”を失った常連らはいまも残念がる。柏木さんは「ありがたい。もうからなくても家族が食べていけて、お客さんにも喜んでいただけた。それが何よりうれしい」と目を細めた。

 開業は戦後復興期の1953年。横浜で銭湯を営んでいた柏木さんの父が平塚にも構えた。76年に後を継ぎ、妻の眞喜子さん(58)と切り盛りしてきた。

 漢方医学を基にした「実母散薬湯」が看板で、厳選された生薬は時間がたつにつれて湯を真っ黒に染め上げた。開業当初、手軽に温泉気分を味わえる粉末が普及し、実母散をやめた時期がある。

 「楽しみにしてたのになあ」

 客の指摘にハッとした。「手抜きをしては駄目。手間暇をかけても期待に応えよう」と最後まで実母散にこだわった。

 近年の来客は1日平均で約100人。海岸に近いため、ビーチスポーツやマラソンを楽しんだ帰りに汗を流す常連以外の姿も目立った。三が日には年に1度の朝風呂で、日本酒を振る舞うなど社交場のような雰囲気が漂った。ほかの銭湯が経営難で廃業していく中でも安定していた。

 ところが昨年11月に柏木さんに病が見つかり、一時的に休業。年末に退院した。入院中、ポストに匿名の手紙が入っていた。

 「クリスマスシーズンのタペストリーや花鉢とムードを盛り上げてくれてましたね。いつもその時期の花や置物、絵や額と脱衣所はほんとにくつろげるところでした」

 柏木さんの体調を気遣いながら、再開を待ちわびる気持ちが込められていた。そうした思いを受けて継続も考えたが、闘病に専念することを決めた。廃業は1月12日付。手紙は、家族の写真とともに大切に額に納めている。

 東海道線の南側に唯一あった銭湯が消え、市内に残るのは4軒のみ。柏木さんは寂しそうにつぶやいた。「営業しないと、2階の部屋もめっきり冷え込むんだよね」

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この記事へのコメント

成歩堂 [2010/3/10 14:04]  編集する
半世紀も超親しまれた銭湯がなくなるとは!

というのは冗談ですが、あちこちで銭湯が数を減らしていますね。
寂しい限りです。

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