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幻の芋で焼酎、5年越しで開発/平塚

2010年3月8日

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 平塚市内で栽培される全国的にも珍しいサツマイモ「クリマサリ」を使った芋焼酎が初めて造られた。クリマサリは同市大野地区で長年育てられているが、出荷量が少ないだけでなく、製菓会社と契約しているため市場に出回らない「幻の芋」と呼ばれる。JA湘南(同市片岡)で地場産の新商品開発を手掛けた中野雄一さん(42)が農家や酒販組合と調整を続け、発案から5年越しで願いを実らせた。

 名前の通り「クリに勝る」まろやかな甘みが特長のサツマイモ。水はけが良い砂質の土壌で条件が適していた大野地区では、全盛の1970年代には64ヘクタールで栽培するなど一大産地だったという。

 しかし、つるが地中深く伸びるため収穫作業が大変な上、急激な宅地化で農地が減少。現在は約30軒が年間20トンほどを出荷しているが、大半が埼玉県の製菓会社向けのため、日常口にする機会はほぼない。JA湘南ではこれまで少量でも地元で食べられるよう、一部を直売所で扱うなど地道なPRを続けてきた。

 「製菓会社に出荷するのは形が大きく虫食いがないものが良い。だから規格外の小さなサイズを集めて芋焼酎を造れないか」。中野さんは5年ほど前に考案。約2年前にアイデアが具体的に動き始め、地元酒販組合の協力で、昨年夏に出荷されたクリマサリを長野県の老舗酒蔵に持ち込んだ。

 2月末についに念願の約2700本分が出来上がった。「芋独自のにおいは残しつつもまろやかな口当たり」と味にも満足という。

 中野さんは「この焼酎でクリマサリの知名度が上がり、農家がさらに耕作面積を増やす好循環につながれば、素晴らしい」と期待している。

 「幻の芋 くりまさり」は3月14日に本格オープンするJA湘南大型農産物直売所「あさつゆ広場」(同市寺田縄)で限定販売する。問い合わせは電話0463(59)8304。


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