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「湿地」を裁判原告に加えて提訴へ、処分場整備工事の差し止めを求める

2010年3月6日

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発生土処分場整備前の北川湿地=2009年1月、三浦市初声町三戸

発生土処分場整備前の北川湿地=2009年1月、三浦市初声町三戸

 貴重な自然環境の残る「小網代の森」に隣接し、県内有数の湿地とされる「北川湿地」を含む三浦市初声町三戸地区の発生土処分場整備をめぐり、周辺住民などは近く、土砂搬入により住環境が悪化するなどとして、整備工事を実施している京浜急行電鉄に工事の差し止めを求める訴えを横浜地裁に起こす。弁護団によると、原告には「北川湿地」という“生態系”を加える珍しい訴訟になる。

 原告には「北川湿地」のほかに、同湿地の研究活動を続ける市民団体「三浦・三戸自然環境保全連絡会」(三戸保全連絡会)と、周辺住民が名を連ねる予定。

 同連絡会は昨年3月に湿地保全を求めて横浜地裁に民事調停を、周辺の5世帯10人は昨年11月に県公害審査会に調停をそれぞれ申し立てたが、いずれも不調に終わったため、提訴に踏み切った。

 訴訟では「北川湿地」を原告に加えているが、弁護団によると、アマミノクロウサギなど動植物を原告とした全国各地の訴訟では、自然は裁判の当事者として認められず、訴えは却下されるケースがほとんどだという。箱根町の美術館建設をめぐって「ブナ林とそこに生息する生き物たち」という生態系を申立人として、2000年に建設中止の公害調停を小田原簡裁に起こしたが、簡裁は却下決定を出した。

 弁護団の事務局長は「生態系が当事者適格を認められるのは難しいかもしれない」とした上で、「東京都心から1時間という身近な自然に、絶滅が危惧(きぐ)される希少な動植物が70種近くいることが知られていない。裁判を機に『北川湿地』の知名度を上げたいという思いを込めた」と話す。

 訴状には、請求原因として(1)周辺住民は土砂運搬による振動や粉じん被害を受ける(2)研究グループは、湿地での学問研究の利益や自然環境を享受する権利が失われる―という内容が盛り込まれるという。

 昨年7月に県の許可を受けて事業に着手している京急電鉄は、いままでの周辺住民らの訴えに対し「住民が懸念する公害が起きないように、十分な対策は講じている」としている。

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