高速無料化3路線、集客増やコスト減期待の一方で渋滞懸念も/神奈川
2010年2月7日
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国土交通省による高速道路無料化の社会実験対象路線(37路線50区間、計1626キロ)に、県内から新湘南バイパス、西湘バイパス、箱根新道の3路線(各1区間、計38キロ)が選ばれた。湘南や箱根といった海山の名所を結ぶ有料道路だけに、観光客の増加や物流コストの削減を期待する声が多い。一方、交通渋滞の悪化による環境への影響を懸念する声も聞かれる。
湘南地域と「小田原・箱根」を結ぶ3路線の無料化は、「観光客をある程度増やすだろう。周辺地域への波及効果も望める」とみるのは、県西部2市8町などで組織する箱根・湯河原・熱海・あしがら観光圏推進協議会。温泉テーマパーク「箱根小涌園ユネッサン」も集客増を見込んでおり、早速「無料化企画を検討している」という。
箱根町観光協会は「箱根を訪ねるお客さんの目的地は決まっている。箱根新道がもたらす“地域格差”はなく、無料化したからといって、伊豆方面へと素通りすることはないだろう」と自信を見せる。
小田原市は「国道が1本増えるイメージ。市民にとってメリットが大きいのではないか」と話す。市内の渋滞を避け、海側の西湘バイパスを利用した方が時間の節約になるからだ。無料化実験と同時に、自動料金収受システム(ETC)利用車の上限千円割引が廃止されるため、「今度は近場の観光地を選ぶ人が増えるはず」とも読む。「これまで小田原を通過していた車が無料化を契機に“途中下車”してくれたら」と期待する。
一方、流通面では不安も交じる。休日に慢性的な渋滞が発生する西湘バイパス箱根口、石橋両インターチェンジは一層の渋滞が懸念されるため、小田原鈴廣は「かまぼこの納品時間に間に合うかどうか」と不安そう。
京浜地区への輸送に東名高速を利用してきた物流ネット小田原運輸事業協同組合は歓迎組。「コストダウンのため、運行ルートを西湘バイパスに変更したい」。ただ、小田原市内の企業は東名につながる小田原厚木道路を利用する例が多く、伊豆方面に製品を出荷する企業以外の恩恵は「やや少なめ」となる見込み。
箱根新道の交通量の増加は、二酸化炭素(CO2)も同時に増やす。「環境先進観光地」を掲げる箱根町内からは「エコ時代に逆行する」という声が聞かれ始めた。箱根新道に定期便を走らせる箱根登山バスは、CO2排出量を植林などで相殺するカーボンオフセット事業に取り組んでいることから、CO2増加の“予感”に困惑気味だ。
湘 南
新湘南バイパス茅ケ崎中央インターチェンジから約15分の寒川神社(寒川町宮山)。担当者は「これで神社を案内するのに『無料で来られます』と伝えられる」と喜ぶ。同バイパスの“おひざ元”は、観光客増加や渋滞緩和を理由におおむね歓迎ムードだ。
「下り車両は従来通り箱根や伊豆へ直行するだろうが、上り車両は市内への回遊が期待できそう」と藤沢市観光課。半面、バイパスを降りて片瀬海岸や江の島方面へ向かう車が増えれば、市内の渋滞に拍車が掛かることも心配している。
藤沢商工会議所は「現在は国道1号の走行車両が圧倒的に多い。バイパスに分散されれば渋滞緩和につながり、経済的なメリットが大きい」と評価。茅ケ崎商工会議所も「国道1号の渋滞が緩和されれば、市内の物流会社に経済効果があるはず」と話す。
だが、無料化されても、西湘バイパスにつながる平塚市内から大磯町までの3・5キロの国道134号は2車線のまま。県は4車線化計画を進めているが、無料化で交通量が増えれば従来の渋滞がより激しくなる懸念もある。
◆県内の高速道路無料化 対象は新湘南バイパス(藤沢―茅ケ崎海岸、9キロ)、西湘バイパス(西湘二宮―箱根口・石橋、15キロ)、箱根新道(山崎―箱根峠、14キロ)の3路線。250~450円の通行料金(普通車)が、6月から無料となる。2011年度からの本格的な無料化実施に向け、経済効果や渋滞の影響などを調べる。
湘南地域と「小田原・箱根」を結ぶ3路線の無料化は、「観光客をある程度増やすだろう。周辺地域への波及効果も望める」とみるのは、県西部2市8町などで組織する箱根・湯河原・熱海・あしがら観光圏推進協議会。温泉テーマパーク「箱根小涌園ユネッサン」も集客増を見込んでおり、早速「無料化企画を検討している」という。
箱根町観光協会は「箱根を訪ねるお客さんの目的地は決まっている。箱根新道がもたらす“地域格差”はなく、無料化したからといって、伊豆方面へと素通りすることはないだろう」と自信を見せる。
小田原市は「国道が1本増えるイメージ。市民にとってメリットが大きいのではないか」と話す。市内の渋滞を避け、海側の西湘バイパスを利用した方が時間の節約になるからだ。無料化実験と同時に、自動料金収受システム(ETC)利用車の上限千円割引が廃止されるため、「今度は近場の観光地を選ぶ人が増えるはず」とも読む。「これまで小田原を通過していた車が無料化を契機に“途中下車”してくれたら」と期待する。
一方、流通面では不安も交じる。休日に慢性的な渋滞が発生する西湘バイパス箱根口、石橋両インターチェンジは一層の渋滞が懸念されるため、小田原鈴廣は「かまぼこの納品時間に間に合うかどうか」と不安そう。
京浜地区への輸送に東名高速を利用してきた物流ネット小田原運輸事業協同組合は歓迎組。「コストダウンのため、運行ルートを西湘バイパスに変更したい」。ただ、小田原市内の企業は東名につながる小田原厚木道路を利用する例が多く、伊豆方面に製品を出荷する企業以外の恩恵は「やや少なめ」となる見込み。
箱根新道の交通量の増加は、二酸化炭素(CO2)も同時に増やす。「環境先進観光地」を掲げる箱根町内からは「エコ時代に逆行する」という声が聞かれ始めた。箱根新道に定期便を走らせる箱根登山バスは、CO2排出量を植林などで相殺するカーボンオフセット事業に取り組んでいることから、CO2増加の“予感”に困惑気味だ。
湘 南
新湘南バイパス茅ケ崎中央インターチェンジから約15分の寒川神社(寒川町宮山)。担当者は「これで神社を案内するのに『無料で来られます』と伝えられる」と喜ぶ。同バイパスの“おひざ元”は、観光客増加や渋滞緩和を理由におおむね歓迎ムードだ。
「下り車両は従来通り箱根や伊豆へ直行するだろうが、上り車両は市内への回遊が期待できそう」と藤沢市観光課。半面、バイパスを降りて片瀬海岸や江の島方面へ向かう車が増えれば、市内の渋滞に拍車が掛かることも心配している。
藤沢商工会議所は「現在は国道1号の走行車両が圧倒的に多い。バイパスに分散されれば渋滞緩和につながり、経済的なメリットが大きい」と評価。茅ケ崎商工会議所も「国道1号の渋滞が緩和されれば、市内の物流会社に経済効果があるはず」と話す。
だが、無料化されても、西湘バイパスにつながる平塚市内から大磯町までの3・5キロの国道134号は2車線のまま。県は4車線化計画を進めているが、無料化で交通量が増えれば従来の渋滞がより激しくなる懸念もある。
◆県内の高速道路無料化 対象は新湘南バイパス(藤沢―茅ケ崎海岸、9キロ)、西湘バイパス(西湘二宮―箱根口・石橋、15キロ)、箱根新道(山崎―箱根峠、14キロ)の3路線。250~450円の通行料金(普通車)が、6月から無料となる。2011年度からの本格的な無料化実施に向け、経済効果や渋滞の影響などを調べる。
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