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ハタチの誓い…県内新成人に聞く/神奈川の新成人

2010年1月12日

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起業に向けた意気込みを語る井田さん

起業に向けた意気込みを語る井田さん

母の祖国、中国への思いを語る鈴木さん

母の祖国、中国への思いを語る鈴木さん

 長引く不況、雇用不安に少子高齢化。将来が見通せない時代と向き合い、自ら道を切り開こうと志す若者がいる。イマドキだけど、難しい時代だからこそしっかり考えている。そんな新成人2人に「ハタチの誓い」を聞いた。


◆就活サイトで起業へ…青学大の井田さん 

 ビジネスの世界に挑戦する現役青学生―。パソコン片手に差し出す名刺も颯爽(さっそう)と青山学院大2年、井田隼人さん=川崎市多摩区=は、そんな肩書で起業家たちを訪ね歩く。

 昨年11月、バイト代20万円を注ぎ込み、大学1、2年生向けの就活サイトを立ち上げた。掲載するのは社長や若手ビジネスマンのインタビュー。「目標自体、持ちづらい時代。自分の将来をイメージするための情報を提供したい」。大卒の就職内定率6割という「氷河期」に挑むように、年内の法人化、学生起業を目指している。

 少子化は進み、社会も経済も縮みゆく。ならば新しい価値を生み出す自分でありたい。迷える同世代を励ましたい。そう思えるのは、生き惑った過去があったから。

 高校生のころ、パニック障害で不登校に。ペンを手の甲に突き立て、自傷行為を繰り返した。支えてくれたのは同級生のバンド仲間。「それまでは『自己チュー』で、ゆとり世代だからか、自分にも甘い。人の役に立ちたい、そのために自分が成長しなければと思ったのは、そのころからかも」

 年明け、ブログに書いた。

 〈「人が頑張っている顔を見ること」が好き。心からやりたいと思うことを長く続けるためにも、努力していきたい〉

 意志のあるところに道は開ける。「時代のせいにするなんて、もったいない。その前に僕らはもっと自分を磨かないと」


◆中国との「懸け橋」に…横浜国大の鈴木さん 

 いまハマっているのはヒップホップダンス。「思いっきり体を動かすのって、気持ちいい」。鈴木美穂さんがエネルギッシュなのは、中国出身の母譲りだ。

 横浜国大に通う2年生。大学近くに下宿し、学生生活を楽しむ傍ら通訳・翻訳の仕事に精を出す。「日本で働きたい中国人の手助けをすることも多い。母の手伝いだけど、すごい重い仕事」。懸け橋としての役目を自任している。

 父は日本人。都内で生まれ育ち、父方の祖母からは「母が中国人だとは周りには言うな」ととがめられた。無邪気に人と違うことがうれしかった幼心に、不幸な歴史が影を落とした。

 母の国の言葉が知りたいと、北京に留学した高校3年間が転機に。日本から来たというだけで特別な視線を感じた。「でも過去の歴史を考えれば仕方ないなって」。授業中、うつむいていると隣の女の子がメモを書いてよこした。「日本への思いと美穂への思いは別だよ」。知ろうと望めば心は開かれた。人と人の交流でたどり着き得る新しい地平を見た思いだった。

 発展を続ける中国。経済的なつながりが強まれば、日中の距離はいや応なしに近づいていく。「もっと行き来する人が増えて、互いの偏見がなくなればいい」

 鳩山首相は「東アジア共同体構想」を打ち出す。新しい風が吹く期待感は持ち続けている。「中国語教えてよ」「中国に行くんだけど、いいところ紹介して」。最近、そう声を掛けられることが増えてきた気がしている。

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