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視覚障害者が落語に挑戦、12月に披露へ猛げいこ/平塚

2009年11月17日

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師匠の山口さんの体を触って動きを確認する日暮さん(右)=平塚市福祉会館

師匠の山口さんの体を触って動きを確認する日暮さん(右)=平塚市福祉会館

 「え~、落語を一席」―。平塚市内に住む視覚障害者3人が落語に挑戦している。「大好きな落語を自分でも話してみたい」と一念発起し、元郵便局長のアマチュア落語家に“弟子入り”した。12月に市内で行われる福祉会館まつりで1人1席ずつ披露しようと、3人は目下、猛げいこに励んでいる。
 落語に挑戦しているのは、前田美智子さん(62)=平塚市御殿=、山口和子さん(70)=同市夕陽ケ丘=、日暮(ひぐらし)勉さん(51)=同市岡崎。

 3人の“師匠”は「楽志亭壱生」こと山口宣秀さん(63)=同市富士見町。大学で落語研究部に在籍。平塚富士見郵便局長時代に請われて、20年以上、地域のお年寄りらに落語を披露してきた。

 3人が落語を習うようになったのは、昨秋に市社会福祉協議会主催の落語をテーマにした教養講座に参加したのがきっかけ。講座終了後、「もっといろんな演目を勉強したい」と参加者有志がクラブを立ち上げ、3人も所属している。

 3人とも無類の落語好き。だが講座に参加した理由は異なる。山口さんは「落語が話せたら楽しいだろうな」と思った。前田さんは落語家がどういう身ぶりや手ぶりで話しているのかを知りたかった。日暮さんは人前で話せるようになりたかった。

 だがいざやってみると「なかなか難しい」。「口調や表現に味が出ない」と山口さん。日暮さんは「話すことに精いっぱいで余裕がない」と苦笑。前田さんは「なかなか話を覚えられなくて…。そっちの方が笑い話になっちゃう」と周囲を笑わせる。

 3人が抱える悩みは、ほかにもある。落語家は扇子や手ぬぐいを使いながら身ぶりや手ぶりを交えて笑わせるが、3人ともその演技を見たことがなく、見てまねすることもできない。そこで師匠の山口さんは自分の体を触らせて教えるが、うまく伝わらないときもある。

 また一人二役を演じ分けるには首の向きを変える必要があるが、時に向きすぎてそっぽを向いたようになってしまうことも。「正しいしぐさができず、もどかしいこともある」と山口さん。だが師匠は今のところ、直すつもりはない。「これが彼らの個性ある落語。それでいいんじゃないかな」

 いよいよ本番が近づいてきた。舞台の広さなどを体得するため、3人は今、入場から退場まで通して練習している。「素人はうまくなくたっていい。本人が楽しんで一生懸命やれば、お客さんに伝わる」。師匠の言葉を胸に、3人は高座に上がる。

      ◇◇◇

 同市追分の市福祉会館で開かれる福祉会館まつりは、12月3~5日の午前9時から午後4時まで(ただし最終日は午後3時半まで)。3人の落語は初日の午前11時15分から。演目は前田さんが「ぞろぞろ」、山口さんが「十徳」、日暮さんが「強情灸(きゅう)」。見学無料。問い合わせは、市社会福祉協議会電話0463(33)2333。

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