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冷静な熱血漢 分析野球注入へ/横浜ベイスターズ・尾花新監督

2009年11月13日

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 日本一の名コーチがやって来る。それだけで心高ぶる。未知のドラマを予感させる。海上での就任会見という華々しい演出さえ、その武骨さで場を引き締めた。

 新指揮官決定まで長かった。秋季練習とキャンプは、新監督、新コーチ不在で続けてきた。来季の戦いは既に始まっている。周囲はじらされたが、「投手力再建」の命題にこれ以上ない人材だ。

 打診を受けた際は「本当に自分なのか」と戸惑ったという。ヤクルト、ソフトバンクなどでコーチを務め、投手の育成とマネジメントで名を上げていたが、監督業は未開の地。だが「フロントの熱意を感じた」と自らを試す機会を選んだ。

 引っ提げてきたのは「アナライジング(分析)ベースボール」。スコアラーと自身が付ける緻密(ちみつ)なデータを戦略、育成に生かす。巨人では強力中継ぎ陣の越智、山口らを開花させた。狭く、ボールの飛びやすい東京ドームを本拠地に、今季のチーム防御率はリーグ最少の2・94を残した。

 会見前夜に横浜の資料に目を通したという。「612の自責点を100減らして防御率3・6。そこからさらに50減らし、500を下回らないと優勝はできない」。横浜の弱点はチームを支える周辺スタッフの欠乏でもあったが、新体制では先乗りスコアラーを全球団に張り付ける。新監督の狙いに歩を合わせ、準備を進めている。

 これまではマウンドを挟んで横浜投手陣を見つめたが、「140キロ台後半を出す投手が結構いるし、いい変化球を投げる者もいる。ここをこうすればもっと良くなるのにと思っていた」。ヤクルトでの現役時代からデータ分析に重きを置いてきた。コーチとしても、1997~98年に当時の野村克也監督のID野球に触れ、さらに考えを深めた。横浜でも説得力ある数字を突き付け、一からの改善に取り組む。

 冷静にして熱血漢。巨人でも辺り構わず怒鳴り散らしてきた。心に決めている。「コーチの仕事は普通にやっていれば嫌われる。選手にこびるときはユニホームを脱ぐとき。そのスタイルは変えない」。頂点を極めるチームは、常に厳しさを内包するのだ。

 投手力再建の請負人。常勝軍団に身を置いてきたからこその言葉だ。「とにかく選手には勝つことを意識付けたい。スタジアムに来るファンには勝つ試合を見て、感動してほしい」

 開港150周年。時は幕末乱世のころ。混沌(こんとん)のさなか、未来に思いをはせ、前に進んだ。汽笛が伝える。闘将尾花丸の出陣を。

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