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コラム「フルマーク」/途切れぬ気力 限界挑戦

2009年9月15日

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今季限りでの退団が決まった=横浜・工藤

今季限りでの退団が決まった=横浜・工藤

 シーズン途中の異例の退団発表となった。

 46歳の現役最年長左腕。西武、ダイエー、巨人を渡り歩いてきた「優勝請負人」。だが、球団フロントが出した答えは「戦力外」だった。

 村上運営部門統括は試合前、「球団の考えとしては来季は契約しない。本人は現役続行を希望しており、今後はサポートしていきたい」と説明した。

 昨季は24年ぶりの未勝利に終わった。今季のキャンプ初日に左ふくらはぎに違和感を訴え、調整は遅れた。初先発は4月8日の巨人戦。自身の持つ実働最多年数を28に伸ばす記念の登板だったが、4本塁打を含む5回8失点で降板。翌9日に選手登録を抹消され、再調整の運びとなった。

 一試合、一球に残りわずかなプロ人生を懸けたが、リリーフ転向後も一進一退。37試合で防御率6・89(15日現在)と思わしくない。必然的に敗戦処理を任されたが、「チームのためなら」とプライドを捨て、身を粉にしてきた。

 誰もが認める大投手であっても、本人は「いつかはみんな、ユニホームを脱ぐ。粛々と受け止めた」と静かに語る。押し寄せる体力の衰え。チーム構成の変革期。時の流れには逆らえない。それもまた、プロの厳しさなのだ。

 若い選手にとっては教科書のような存在であり続けた。「できることはしたい」とひと回り、ふた回りも年下の後輩を気遣う。横浜はもとより、球界の至宝だ。「限界」に挑むその生きざまに、胸を熱くさせられた。

 一線を退くわけではない。戦う気力は残っている。生ける伝説左腕の最終章は、まだ終わらない-。

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