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開店から半世紀、現場に立ち付ける販売員/横浜高島屋の町田さん

2009年8月23日

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 10月に開店50周年を迎える横浜高島屋に、オープン当初から呉服売り場で接客にあたる女性従業員がいる。厳しい経営環境が続く百貨店業態だが、「顧客との信頼関係こそ売り物」という信念で、今も現場で着物を販売する。

 町田和代さん、68歳。1959年に県立小田原高校を卒業し、開店を控えた横浜高島屋に18歳で入社した。母は自宅で髪結いをしていた。通ってくる女性が婚礼時に装う着物姿に魅せられ、念願かない呉服売り場に配属された。

 当時の横浜駅西口はまだ大きな建物は少なく「高台から海が見通せたほど」。集客を懸念する声もあったが、開店当日から客が殺到した。売れたときの達成感。顧客に喜んでもらったときの充実感。「毎日があっという間に過ぎた」と振り返る。

 閉店時刻後は社員同士で商品知識の勉強会を重ねた。休日は好きな歌舞伎を観賞して帯と着物の合わせ方を学んだ。すべては客との信頼関係のためだ。「横浜高島屋の顧客が求める商品は、値段も流行も幅広い。豊富な品ぞろえを用意していないと納得してもらえない」

 出産を機に退社した後、復帰したのも呉服売り場。「顧客は人に付く。特に呉服店では人と人のつながりが大切」。七五三、成人式-。人生の節目ごとに見てきた顧客が、今度は母親になって子どもを連れてくる。「うれしそうに持参する着物姿の写真を見るのが生きがい」という。

 毎年開く同期会には、今も80人が集まる。百貨店を取り巻く経営環境は厳しいが「顧客の望むサービスを地道に提供すれば大丈夫」と後輩にエールを送る。


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