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公立中学校教科書の採択で”夏の攻防”/神奈川県内

2009年7月12日

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 県内の各市町村教育委員会で17日から、来春から使う公立中学校教科書の採択が始まる。「新しい歴史教科書をつくる会」が主導する2冊の歴史教科書が採択されるかが焦点で、さまざまな団体がすでに各教育委員会に要望や陳情を提出。採択・不採択を求めて活発に活動しており、8月上旬まで採択をめぐる“攻防”が続く。

 県内市町村では43の公立中学校教科書の採択地区があり、4年に1度採択替えを行っている。17日の秦野市、寒川、愛川両町を皮切りに、8月7日の座間市教委まで、採択をめぐる“熱い夏”が続く。

 つくる会が主導する歴史教科書はこれまで扶桑社から出版され、過去2回採択候補となってきた。今回は編集方針の違いなどから、つくる会は発行元を自由社に変え、新たな教科書を出版。そのため、扶桑社版と自由社版という記述内容が似た2冊が採択候補となっている。

 つくる会系の2冊の教科書は「自虐的な歴史観を払拭(ふっしょく)する」ことを主眼に、神話や天皇にかかわる古代史と近現代史に多くのページを割いている。太平洋戦争を「大東亜戦争(太平洋戦争)」と記述し、日本軍を解放軍として迎えたインドネシアの人々を大きく取り上げるなど、従来の教科書と記述内容で一線を画す部分が多い。そのため、国内外で「戦争を美化し、歴史を歪曲(わいきょく)している」と批判の声が出ている。

 つくる会の藤岡信勝会長は自由社版の教科書について「日本文明の独自性と国家の自立性を明らかにし、日本の優れた特質が書かれている」と説明。「戦争を美化する意図はなく、史実に忠実に記されている」と話し、県内での採択に期待を寄せている。

 一方、横浜市内の教職員でつくる横浜市教職員組合は6月29日、約150人を集めて2社の教科書に反対するシンポジウムを開いた。参加した市民グループ「教科書採択制度の民主化を求める神奈川の会」はつくる会系の教科書について「侵略の歴史を意図的に隠ぺいしている」と批判。同組合も採択されないよう活動する方針を確認した。

 また、在日本大韓民国民団(民団)県地方本部は「侵略戦争を正当化し、植民地支配の歴史を歪曲している」として、県内全市町村を訪れ、つくる会系の教科書を採択しないよう求める要望書の提出を進めている。

 県内の各市町村教委では、有識者や保護者らが務める調査員が教科書の内容を検討し、審議会(協議会)などで議論。その報告を受けて、教育委員会が教科書を採択する。

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