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振り替え輸送義務なく…電車遅延時の”救済”対応まちまち

2009年7月4日

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 深夜の人身事故で電車が遅れ、乗り換えが出来ずに家に帰れない―。何ともやるせないトラブルだが、鉄道会社の対応が社によってまちまちなのをご存じだろうか。乗り合いタクシーを出す会社がある一方で、「切符を払い戻すだけ」という社も。そもそも、対応の詳細を利用客が知らないのが実情だ。法律で定められていないのが理由だが、「すべての客にタクシーを求められても困るので、積極的に周知できない」などの会社側の事情もあるようだ。

 6月18日午後9時50分ごろ、JR川崎駅で人身事故があった。南足柄市在住の記者が乗ろうとした東海道線は、1時間ほど遅れて運転を再開し、JR小田原駅に到着した時には、同市の大雄山駅へとつながる伊豆箱根鉄道大雄山線は営業を終えていた。改札口には乗り継ぐ予定だった乗客たち。JRの駅員が「タクシーでそれぞれの駅までお送りします」と告げると、一様にほっとした表情を浮かべた。

 国土交通省関東運輸局によると、30分以上の遅れや運休を伴う輸送障害は、ここ数年、関東地方では年間900件ほどで推移している。実は、電車が止まった場合に行われる他社の鉄道やバスへの振り替え輸送は、法律上の義務ではない。国交省鉄道業務政策課は「どうするかは各社の判断」としている。

 JR東日本横浜支社は6月の事故の対応について、「本来なら(大雄山線に)間に合う時間に切符を買ったお客さまを、目的地まで運ぶ責任がある」とし、「通常の代行輸送。タクシーを使ったのは、深夜で鉄道やバスがなかったから」と説明する。他社線への乗り換え客へのこうした対応は、国鉄時代から行っているという。

 だが、同支社管内でも全乗客が”救済”されるわけではない。鉄道会社間には、到着と出発時間が近い終電間際の電車同士を「乗り換え可能」と設定する「接続」と呼ばれる約束があり、一方の電車が遅れても、最終電車はある程度は出発を待つことになっている。同支社によると、タクシーへの振り替えは「接続」する終電に乗れない場合などに限られるという。

 同様に乗客をタクシーで送ることがあるのは小田急電鉄。「申告を受け、乗車券を確認して事情を聴き、駅長が支払うかどうか決める」。以前は各駅で対応が違ったが、今年2月から統一したという。

 一方、相模鉄道は「乗客を目的地まで運ぶ約束はしているが、何分以内にとは約束していない。事故などがあっても、基本的には何もしない」と話す。東急電鉄、京浜急行も同様だ。

 ダイヤの乱れが鉄道会社に与えるダメージは大きく、振り替え輸送費は、さらなる重い負担となる。取材に応じたJR東日本と小田急は、「タクシーで対応する場合はあるが、あくまで状況に応じて。自殺などが原因の場合は、経費を遺族に請求することもある」と強調。ある関係者は「悪用される恐れもあり、タクシーなどの対応はあまり広報していない。正直、新聞に出るのは困る」と明かした。

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