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タスポ導入で販売店の摘発急増/神奈川 経営難で未成年者に

2009年6月6日

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 未成年者にたばこを売ったとして、販売店が県警に摘発されるケースが急増している。今年1~4月で既に24軒が摘発され、昨年の5倍近いペース。昨年7月のたばこ自動販売機への成人識別カード(タスポ)導入で減った売り上げを取り戻そうと、未成年と知りながら販売する店が多いという。経営難で店を閉める販売店も多い中、厳格な年齢確認を狙ったタスポの、思わぬ”逆効果”が波紋を広げている。

 「タスポ導入で売り上げが落ちたので、未成年者と承知で売ってしまった」―。無職少女(16)にたばこ2箱を販売したとして、山手署が未成年者喫煙禁止法違反の疑いで書類送検した横浜市中区のたばこ販売店経営の女(59)は、同署の調べにそう供述した。

 高校1年の男子生徒(16)にたばこ1箱を売ったとして摘発された同区の別の店舗の経営者(74)も同様の供述をし、「さらに複数の未成年者に売った」と認めたという。

 摘発のきっかけとなっているのは、喫煙で補導した少年少女の供述だ。捜査関係者は「自販機で買えなくなったため、たばこ屋などに入手場所を変えた、と話すケースが増えている」とした上で、「『あの店で買った』と聞いた以上は、徹底的に取り締まらなくては」と話す。

 未成年への対面販売の増加に、県たばこ商業協同組合連合会の宮嶋実会長は「加盟店には年齢確認を徹底するよう指導している」と説明。しかし一方で、「昨年の県内のたばこの売り上げは、自販機を中心に3~4割減った。廃業も相次ぎ、2007年末に約4500店あった販売店は、1年後に約4千店まで減った」と業界の苦境を打ち明ける。

 タスポ普及を進める日本たばこ協会の未成年者喫煙防止対策室は「(タスポは)未成年者の喫煙対策には一定の効果があると思うが、自販機をメーンに商売していた販売店(の売り上げ)は非常に厳しい」と認める。「背に腹は替えられない」とばかりに未成年にタバコを売る店舗については、「販売店の生計にかかわる問題なので、協会としては何も言えない。違法との認識をあらためて持ってもらうしかない」と、複雑な表情だ。

 県警が喫煙で補導した少年は昨年初めて5万人を突破し、5年前の約2倍に達している。県警少年育成課は「未成年者の喫煙機会をなくすには販売店の協力が不可欠」とし、店舗向けの啓発チラシを配るなどして意識の向上を呼びかけている。


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