初の統合任務も…海自と陸自”同床異夢”/厚木基地からソマリア沖派遣部隊
2009年6月6日
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ソマリア沖の海賊対策のため、海上自衛隊厚木基地(大和、綾瀬市)から5月末にアフリカ・ジブチに向けて派遣された自衛隊部隊は、海上自衛隊と陸上自衛隊による、初の統合任務を担う混成部隊だ。両者の連携の正否は今後の統合任務の行く末を占う「試金石」とも位置づけられているが、過重負担となりかねない海外活動をめぐっては、海自と陸自の間で、同床異夢ともいえる思惑の違いも浮かび上がっている。
◆迷彩服ずらり
出発に先立ち、同基地で開かれた式典。肌色の制服を身にまとった海自隊員の隣で、緑・黒・茶色の迷彩服で、首もとには緑色のスカーフを巻いた陸自隊員が整列した。式典に出席した多くの隊員が真っ白な制服を着た海自隊員だっただけに、その姿は異彩を放っていた。
陸自から派遣される中心的部隊は、2012年度までに司令部がキャンプ座間(座間、相模原市)に移駐する中央即応集団の中央即応連隊。海外派遣を本来任務の一つとする陸自初の部隊として08年3月に発足、宇津宮駐屯地に配備された。創設後初の実任務となる今回の海賊対策では、約50人が海自P3C哨戒機の警護などに当たる。
陸自にとって、海外で海自を警護するのは初の経験。ある陸自幹部は「陸と海が一緒に運用される先駆的な例」とし、今回の派遣が、陸自と海自の間の垣根を越えた統合運用の着実な一歩になるとの見方を示す。
統合運用はもともと、陸・海・空の3自衛隊間の懸案事項。特に、過酷な環境下での任務遂行が求められる海外活動に対応する上では部隊間の情報共有や連携の強化が求められてきただけに、陸自幹部は「今回の経験が次の糧になる。統合的な海外派遣は、今後、増えていくのではないか」とジブチ派遣
意義を強調する。
◆お家の事情
これに対し、海自幹部は「部隊を出すのは、今回のP3Cで限界にきている」と、これ以上の海外活動自体に難色を示す。
背景には海自が抱える”お家の事情”がある。08年2月の千葉県・野島崎沖でのイージス艦衝突事故や07年12月の護衛艦「しらね」の火災など、ここ数年、海自内部では不祥事が続発。海自の「抜本的改革委員会」は、昨年12月、ミサイル防衛や海外派遣など、「多様な任務が常態化したことを原因の一つ」とする指針を発表した。
特に、海外派遣については、01年からのインド洋での補給支援に加え、今年3月にはソマリア沖での日本関連船の護衛も任務になり、常時数隻が海外で活動するなど、近年増加。国内の通常勤務もあり「(海外派遣を増やすには)マンパワーが、絶対的に足りなくなっている」(海自幹部)。
海外活動の実績づくりにもなる今回の派遣に前向きな陸自との温度差は歴然。ある海自幹部は「海外活動を変な自信につなげてはいけない。護衛した船から『ありがとう』というメッセージがあれば、それで十分なはずだ」と自戒する。
軍事ジャーナリストの前田哲男さんは、今回の派遣について「派遣の根拠となる海上警備行動は日本近海を想定したもので、自衛隊法をなし崩しにするあしき前例になった」と批判。陸自の派遣についても、「施設警備の必要性は低いはず」と疑問を投げ掛けている。
◆迷彩服ずらり
出発に先立ち、同基地で開かれた式典。肌色の制服を身にまとった海自隊員の隣で、緑・黒・茶色の迷彩服で、首もとには緑色のスカーフを巻いた陸自隊員が整列した。式典に出席した多くの隊員が真っ白な制服を着た海自隊員だっただけに、その姿は異彩を放っていた。
陸自から派遣される中心的部隊は、2012年度までに司令部がキャンプ座間(座間、相模原市)に移駐する中央即応集団の中央即応連隊。海外派遣を本来任務の一つとする陸自初の部隊として08年3月に発足、宇津宮駐屯地に配備された。創設後初の実任務となる今回の海賊対策では、約50人が海自P3C哨戒機の警護などに当たる。
陸自にとって、海外で海自を警護するのは初の経験。ある陸自幹部は「陸と海が一緒に運用される先駆的な例」とし、今回の派遣が、陸自と海自の間の垣根を越えた統合運用の着実な一歩になるとの見方を示す。
統合運用はもともと、陸・海・空の3自衛隊間の懸案事項。特に、過酷な環境下での任務遂行が求められる海外活動に対応する上では部隊間の情報共有や連携の強化が求められてきただけに、陸自幹部は「今回の経験が次の糧になる。統合的な海外派遣は、今後、増えていくのではないか」とジブチ派遣
意義を強調する。
◆お家の事情
これに対し、海自幹部は「部隊を出すのは、今回のP3Cで限界にきている」と、これ以上の海外活動自体に難色を示す。
背景には海自が抱える”お家の事情”がある。08年2月の千葉県・野島崎沖でのイージス艦衝突事故や07年12月の護衛艦「しらね」の火災など、ここ数年、海自内部では不祥事が続発。海自の「抜本的改革委員会」は、昨年12月、ミサイル防衛や海外派遣など、「多様な任務が常態化したことを原因の一つ」とする指針を発表した。
特に、海外派遣については、01年からのインド洋での補給支援に加え、今年3月にはソマリア沖での日本関連船の護衛も任務になり、常時数隻が海外で活動するなど、近年増加。国内の通常勤務もあり「(海外派遣を増やすには)マンパワーが、絶対的に足りなくなっている」(海自幹部)。
海外活動の実績づくりにもなる今回の派遣に前向きな陸自との温度差は歴然。ある海自幹部は「海外活動を変な自信につなげてはいけない。護衛した船から『ありがとう』というメッセージがあれば、それで十分なはずだ」と自戒する。
軍事ジャーナリストの前田哲男さんは、今回の派遣について「派遣の根拠となる海上警備行動は日本近海を想定したもので、自衛隊法をなし崩しにするあしき前例になった」と批判。陸自の派遣についても、「施設警備の必要性は低いはず」と疑問を投げ掛けている。
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