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追加金融緩和

2010年3月19日

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協調よりも効果を示せ

 日銀がデフレ克服へ動いた。昨年12月に導入した新しい資金供給策(新型オペ)を拡充、資金供給量を現行の約10兆円から約20兆円に増やす追加金融緩和を決めた。資金量をさらに増やして短期金利の低下を促し、企業や家計に資金が行き渡るようにするのが狙い。早ければ今月中にも実施する。

 白川方明総裁は「景気や物価の改善を確かなものにしていくため」と説明、デフレ克服への姿勢を鮮明にした。誘導目標の金利は十分低い水準を維持しており、追加緩和の効果は限定的にならざるを得ないが、デフレに消極的とみられた日銀の踏み込んだ対応は評価したい。

 景気はこのところ回復基調にある。政府は3月の月例経済報告で、基調判断を8カ月ぶりに上方修正した。菅直人財務相兼経済財政担当相は「政府の期待は国会の場などを通じて伝わっている」と述べ、再三にわたり日銀へ追加緩和のサインを送っていた。今回の決定は、効果そのものよりも政府と日銀の協調を演出した形といえよう。

 デフレの根本的な治療は需給ギャップ解消にほかならない。昨年10~12月期でみると、年約30兆円程度の需要不足の状態に陥っている。追加緩和は直接需要を生み出すものではない。決定会合で2人の委員が反対した理由もこの点にある。政府はギャップ解消に向けた需要創出に全力を挙げてもらいたい。

 今春闘の集中回答では、焦点の定期昇給(定昇)こそほとんどの企業で維持されたが、年間一時金(ボーナス)は満額割れが相次いだ。給与増が見込めない中、国内総生産(GDP)の5割超を占める個人消費は引き続き低迷が予想される。子ども手当に代表される家計の財布を温める需要サイドの政策が実行に移されるものの、雇用環境が改善されない限り消費性向に大きな変化は期待できない。

 鍵を握るのは成長戦略だ。政府は昨年12月に提示された基本方針の肉付け作業を急いでほしい。その際は企業の競争力と成長力を促す供給サイドの政策にも力点を置くべきだろう。

 デフレ克服を最優先として政府と日銀が一致したのは理解できるが、過度の”協調”は両者の間にゆがみをもたらす可能性がある。国債買い入れ増額を日銀に迫る事態になれば、財政規律の緩みにつながる。政府は慎重な経済運営を心掛けたい。



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