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敗者の失態

2009年11月7日

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真の強豪に向け出直せ

 サッカーのJリーグヤマザキナビスコ・カップの決勝で、川崎フロンターレはFC東京に0―2で敗れ、初優勝を逃した。クラブ創設13年目。初タイトルに、またしても届かなかった。優勝を逃したことも残念だったが、試合後の表彰式での態度はもっと残念だった。

 川崎イレブンは、優勝したFC東京の前にメーンスタンドで準優勝の表彰を受けた。しかし、数人の選手が首にかけられたメダルをすぐに外し、表彰台にもたれかかり、中にはガムをかみながら出席した選手もいたという。何とも情けない。4万5千人近くの観客の前での失態。日本サッカー協会の川淵三郎名誉会長が「ワーストルーザー(最悪の敗者)」と酷評したのも無理はない。

 ナビスコ杯はリーグ戦、天皇杯と並んで日本サッカーの三大タイトルとされるもので、それだけ選手は思い入れが強い。まして川崎は2000年、07年に続き、今回が3度目の決勝だった。「今度こそ」という気持ちが空回りしての敗戦。悲願を達成できず悔しい気持ちは分かる。だが、負けをしっかりと受け止めるのもまたプロとしての資質であろう。

 ここまで無冠の川崎だが、今シーズンはリーグ戦でトップ(6日現在)を走り、天皇杯でも勝ち進んでいる。中村憲剛選手をはじめ、日本代表にも名を連ねる選手を擁するなど、今やリーグ指折りの強豪チームに成長した。だからこそ悔しさをのみ込み、勝者をたたえる度量がほしかった。

 サッカーに限らず、子どもたちにスポーツを教える指導者は、技術とともに礼儀や相手に対する思いやりを伝授している。その頂点にいるのがプロ選手でなくてはならない。今回の川崎イレブンの行為が、サッカーを愛する子どもたちの目にどのように映っただろう。

 川崎の武田信平社長はJリーグに出向いて陳謝した。しかし一連の行為を重く見たJリーグ側は、定例の実行委員会で討議することを決めた。何らかの処分が下る可能性があり、来季のナビスコ杯の出場権を剥奪(はくだつ)されることもあり得る。

 クラブのトップが頭を下げるまでに至った行為を選手は恥じ、反省してもらいたい。リーグ戦、天皇杯の初制覇に向け、まずは精神面の成長が必要だろう。川崎フロンターレが名実ともに強豪となるために。


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