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池子返還案

2009年8月12日

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協議の前に説明尽くせ

 米軍池子住宅地区をめぐり、防衛省は横浜市域への住宅追加建設などの容認を条件に、逗子市が返還を求めている緑地公園用地と西側運動施設を含む同地区内の土地約40ヘクタールの返還案を同市に提示した。

 市側の予想を上回る広範囲の返還案は、追加住宅などの建設をスムーズに進めたい国側の意向を映したものといえる。

 同地区の返還問題は、1994年に市が米軍家族住宅建設受け入れに合意して以来、市民や市議会を二分する長年の懸案だった。対立を先鋭化させないためにも、市は返還時期など不透明な部分をできるだけ明確にさせるとともに、市民や議会に説明を尽くす必要がある。

 平井竜一市長は先月開かれた市議会全員協議会(全協)で、市側の条件を国が満たせば追加建設などを容認する方向で交渉に入る考えを表明した。具体的な市側の条件とは、今後一切の追加建設をせず、返還を確実に行って財政的優遇措置を取ることなどである。

 横浜市域への住宅追加建設には逗子市の権限が及ばない。横浜市が事実上受け入れる状況では、逗子市が反対しても手続きが進んでしまいかねない。

 平井市長は全協で40ヘクタールの返還案を「池子の緑地保全にとっても意義ある」と評価し、「この機会を逃せば返還の機会が限りなく後退する」と国との協議入りに理解を求めた。相当の覚悟で返還を実現させようとしている意気込みはうかがえる。

 だが、返還案には不透明な部分も少なくない。例えば返還時期。防衛省南関東防衛局の齊藤敏夫前局長は神奈川新聞社の取材に対し、逗子市域への追加建設はしないなど同市が挙げた条件を大筋で受け入れる意向を明らかにしたものの、具体的な返還時期には言及しなかった。この段階で明確にできない事情も分かるが、返還に至るまでの課題整理をしながらある程度のめどは今後示すべきだろう。

 市民への説明もまだ十分とはいえない。最終的には平井市長自身が決断することになるが、2回の説明会だけでは説明責任を果たしたとは言い難い。40ヘクタールが返還されることと、住宅の追加建設などを容認することによる市民のメリット、デメリットは何なのか、できるだけ具体的に示すべきだ。説明不足によって不信感が生まれるような事態は避けなければならない。


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