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要援護者情報

2009年6月11日

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災害時に備え共有化を

 災害時に援護が必要な住民の情報を把握し、地域に提供する動きが県内でも進んでいる。個人情報の適正な管理や、情報を活用するための受け皿づくりが求められるが、災害弱者に対する迅速、適切な支援のため前向きな取り組みを望みたい。

 2007年7月の新潟県中越沖地震では、柏崎市が個人情報保護法の施行を理由に要援護者の名簿を自治会などに提供しておらず、安否確認や避難支援に支障をきたしたと指摘された。特に都市部では個人情報保護やプライバシー重視の傾向が強く、地域で要援護者を把握するのが難しくなっている。

 厚生労働省は同年8月、都道府県などに対し、要援護者に関する情報の把握・共有と災害時支援への取り組みを早急に実施するよう文書で通知した。

 ただ、共有化には個人情報保護への配慮が課題となっている。要援護者の情報を把握するだけでなく、地域の自治会などに情報提供するには本人同意が必要なためだ。本人同意が難しい症状の場合は、法定代理人や親族などの同意が条件となる。

 NPO法人が実施した自治体アンケート調査でも、情報共有化で苦労した点として「障害者らについては家族で守る意識が高く、個人情報を重んじていて、なかなか理解を得られない」などの意見があった。援護の必要性が高い人の情報が、共有化する名簿から欠落してしまう可能性がある。

 情報を受ける側も情報が外部に漏洩(ろうえい)しないよう適正に管理する必要がある上、この情報を生かすには地域での支援態勢を確立しなければならない。

 10年度から自主防災組織や民生委員などへの要援護者の名簿提供を目指している横須賀市が最近まとめた支援プランでは、要援護者1人につき「近隣支援者」を2人以上充て、災害情報の提供や安否確認に努めると定めている。災害時には実際に支援する役割を担っているだけに、普段からの信頼関係を築くことが重要になるだろう。

 さまざまな課題はあるにせよ災害はいつ起きるか分からない。受け皿ができるのを待つのではなく、粘り強く要援護者の同意を得る作業を重ね、情報提供できる態勢を整えておくべきだ。その前向きな姿勢が住民の理解を得ることにもつながる。一人でも多くの命を救うために「共助」の輪を広げたい。


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